コラム
2024/08/01
コラム:鋼製平面化工法の留意点

鋼製平面化工法では、軽量頑丈な構造体で建物や周辺地盤への悪影響を最低限に抑えることができます。これにより埋め戻し工法と比較し、建物内や地盤の悪い場所でも安全に施工が可能です。一方で鋼製平面化工法では、地下ピット内の排水ポンプを残す工法のため、引き続き、排水ポンプの点検をおこなう必要があります。また砕石による埋戻しと比較すると、一般的には施工費用が高いと言われています。その他留意点についても下記の通りご紹介させて頂きます。

 

・留意点

①平面化してもメンテナンス費用は必要

鋼製平面は機械式立体駐車場にかかるメンテナンス費用を90%以上削減できますがゼロではありません。寿命は使用する鋼材により異なりますが、耐用年数は長いモノで通常環境で50年程度と言われています。但し、10年に1度程度の床板の塗装面塗り替えなどは必要です。

②地下ピットの空間利用に注意

鋼製平面化工法では、地下ピットは空間となります。トランクルームや非常用電源設備などいろいろな利用が考えられる貴重な空間なのですが、基本的に人が出入りすることは考えられていない空間です。消防法上の規制もあります。利用にはこれら制限の確認が必要です。点検で中に入る場合も有害ガスの充満など確認して中に入ります。

③排水用ポンプの取り扱いについて

鋼製平面化工法では、雨水や湧水、浸透水のピット内流入はこれまでと変わりませんので、 排水ポンプシステムはそのまま残します。排水ポンプは稼働状況にもよりますが数年に1回は交換する必要があります。埋戻し工法では、排水ポンプは必要ありませんが、ピットの底に穴をあけ、流入水を抜くこととなります。

④ピットの点検は必要

ピット自体は平面化工事の対象外で、所有者管理となりますが、構造耐力上主要なコンクリート壁にひび割れが生じている場合などひび割れから水がコンクリート内部に侵入すると、内部の鉄筋の錆びが進行しやすく、耐久性の低下が早まる恐れがあります。そのため、ピット内の定期的な点検が必要です。

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