所 在 : 埼玉県川越市
属 性 : 分譲マンション(築24年)附置駐車場
装 置 : 単純昇降式(地上1段地下2段)
台 数 : 15台
【施工前】
1.経緯
マンション竣工当初、駐車場は満車稼働で、利用希望者が多く抽選が実施された程
であったものの、24年の時を経て15台の内稼働は7台に留まっていました。
また、これまで必要最小限に留めてきた部品交換がここにきて待ったなしの状況と
なり、貴重な修繕積立金を15台の内7台稼働に留まる既存の駐車装置の部品交換
に注ぎ込むか否か、厳しい選択でありました。
2.悩みどころ
今後の駐車場需要の予測や駐車装置の耐用年数(今回部品交換を実施してもあと何年
もつのか???)を考えて、駐車装置15台全てを撤去・平面化したい気持ちは、
理事をはじめ検討に携わられた皆さんの同じでした。
ところが、全て平面化すると収容台数は5台に減少、2台が行き場を失います。
議論の結果、選択肢は2つに絞られました。
①駐車装置9台のみを平面化(3台)し、6台の駐車装置を残す
⇒存続させる駐車装置6台については、部品交換代を負担し、将来契約台数が
2台減った時点で再検討
②全15台を平面化(5台)し、溢れる2台の手当てを検討する
⇒2台=2名の居住者に負担を強いる
行政上(附置義務)の問題
3.結 論(成功のポイント)
このような究極の選択を求められた場合は『先送り』、これが多くの管理組合で
導き出される結論です。
しかし、この理事会及び修繕委員会の皆さんは、”腹を括って”②に決断されました。
・先送りで同じストレスを次期理事会の皆さんにも強いることは避けたい
・先送りによる既存の駐車装置に係るリスクを増大を避けたい
このような意思が感じられました。
しかも、単に勢いだけの決断ではありませんでした。
負担を強いることになる2名の負担を少しでも軽減する為、近隣の月極駐車場の
空き状況の調査をされ(ここは当センターも少しだけお手伝いさせて頂きました)、
スムーズに移動ができるよう下準備をされました。
行政(附置義務)ついては、管理会社の担当の方がいち早く対応され、全部平面化
に支障がない旨の回答を得られました。
成功のポイントは、理事会と修繕委員の皆様の責任感と決断力、管理組合全体の
理事会や修繕委員の皆様に対する理解と敬意、そして管理会社の担当者の適切な
サポートであったと考えます。
先日工事も終わり、平面駐車場としての運用が始まっています。
【施工後】