2021/07/26
施工事例:平面化 ~ユーザーのメリット~

全国駐車場工事センターには、駐車場に関する様々なご相談が寄せられます。

ご相談内容は機械式駐車場の平面化、埋め戻し、リニューアル、保守点検、修繕等々様々で、地域は、東は北海道・札幌から西は九州・福岡、熊本まで広がっています。

そして最近は、ご相談主も多様化してきました。

従前は、オフィスビルや賃貸マンションの附置駐車場ではオーナーさんやアセットマネージャー、プロパティマネージャーの方々から、分譲マンションの附置駐車場では、管理会社の担当者の方からのご相談・お問い合わせが殆どでした。

これらの方々に加えて、最近は、マンション管理組合の理事長さんや一般の組合員の方々からのお問合せ、ご相談が増えております。

理事長さんや組合員の方々からは、セカンドオピニオンのご依頼・ご相談が多いという特徴があります。

つまり、既に管理会社さん等を通じて提案・見積りを取得された上で、その提案や見積りの妥当性の検証を依頼されたり、より良い提案、より安い見積り(施工費)を求められたりするパターンです。※この辺りの事情については、またの機会にご紹介したいと思います。

 

ご相談の主が多様化してきたとは言え、ご相談の殆どは、謂わば“オーナー側”からのご相談でした。

ところが、今回初めてオフィスビルのテナント企業さん、つまりユーザー側の方からご相談を頂きました。

ご相談の内容は、入居されているオフィスビル附置駐車場(機械式)の平面化でした。

 

【工事概要】

施工事例 : 機械式駐車場平面化工事(鋼製平面)

所 在  : 東京都

属 性  : オフィスビル(築30年)附置駐車場

撤去装置 : 昇降横行縦列式(地上2段地下1段) 5台収容 ※今回は、駐車場の一部のみの平面化でした。

 

今回の駐車場はオフィスビルの地下にありました。テナントさんであれば、オフィスフロアから地下駐車場までエレベータで降りれば、夏でも暑い思いをすることなく、冬でも寒い思いをすることなく、雨の日でも雨に濡れることもなく、車に乗ることができます。

入口にはシャッターがあることからセキュリティも申し分なく、便利で安全な駐車場である“はず”でした。

但し、問題が一つ“収容サイズ制限”です。

比較的歴史があるビルだということもあり、比較的小さい収容サイズ制限の駐車装置が設置されていました。ご相談を頂いたテナントさんのお車は、この収容サイズ制限に適合せず、近所の月極駐車場を利用せざるを得ない状態が続いていたそうです。

オフィスの下に駐車場があるにも関わらず、夏は暑い思いをして、冬は、、、近所とはいえビルの外にある駐車場まで歩いて往復するのは面倒です。何より企業さんにとっては、駐車場まで移動する時間、セキュリティの問題は大きな課題であります。

しかしながら、多くの企業さんは、不便さは感じつつも、駐車場という企業活動全体とのバランスの中では些末な課題ということで現状を甘受されたり、「そのうち移転するからそれまで」と我慢されたりすると思います。

ところが、今回のテナント企業さんは、社長自らアクションを起こされました。

当センターにご相談をいただき、平面化を模索されました。ちなみに、この企業さんは、駐車場とは全く関係がない業種の企業さんであり、何らかの予備知識がおありであったということでもないようでした。

また、施主はあくまでもビルオーナーですから、オーナーを説得しなければなりません。想定されるパターンは「あとはお宅(全国駐車場工事センター)がオーナーを説得してきてね」というものですが、さすがは経営者、当センターとの会話の中で自社のメリットのみならずとオーナーのメリットをも見極められ、オーナーを説得されました。

【オーナーさんのメリット】

駐車装置維持コストの削減

駐車装置リニューアルコストの削減

稼働率改善(空き問題解消)=駐車場賃料収入の増加

 

【テナントさんのメリット】

オフィス下の(=最寄りの)駐車場利用による移動コスト等の削減

近所とはいえ、車の使用頻度次第では、無駄になる時間は看過できません

特にこの暑い時期、地下の駐車場であれば「エンジンをかけてすぐ出発!」、ところが屋外の駐車場であれば、

車内が冷えるまで車内に乗り込むのは控えたいものです。

ビル-駐車場間移動中のセキュリティ性の改善

業務で使用される車両であれば、荷物の積み下ろしもあり、時にはお客様を同乗することもあるでしょう。

特に、「ちょっと車を(駐車場に)おいてきますから」とお客様をビルエントランスでお待たせするのは、

なんとも気まずいものです。

 

最終的には、オーナー企業さんが数百万円の施工費用のご負担について同意され、オーナー企業さん、テナント企業さんそれぞれが、それぞれのメリットを享受されました。

もちろんオーナー企業さんのご理解あってのことではありますが、テナント企業さんの説得力(交渉力)には脱帽しました(この交渉スキルについては、機会があれば是非ご指導を仰ぎたいと思います)。

【施工前】

【施工後】

当センターの業務では、オーナー側の立場のみで物事を考えがちではありますが、今回のご相談から工事までのプロセスを振り返り、駐車場ユーザーの立場にも施行を巡らす必要があることを再確認できました。

平面化やリニューアル等を通じてコスト削減ができても、ユーザーがいらっしゃらなければ、駐車場はただのコストセンターでしかないのですから。

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