コラム
2024/01/16
コラム:埋戻し工法におけるピットの処理について

駐車場平面化の議論の際に必ず出てくる、“鋼製平面”か“埋戻し”かの2択ですが、施工後の安全性や順法性おいては鋼製平面。イニシャル、ランニング含めたコスト面においては埋戻しという究極の選択を迫られる事になります。

 

多くのオーナー様、組合様ではリスクを嫌い鋼製平面を選択される事が多い一方で、条件によっては埋戻しを選択される事も有ります。

 

埋戻しの際に問題となるポイントは大きく2点

 

①ピットを“撤去”か、“残す”か。

(ピットを撤去する場合、鋼製平面より費用が割高となる。残すとなると順法性にリスクが残る?)

 

②ピットの撤去有無に関わらず、砕石を入れると既存装置の想定の10倍程度の重量がかかる。

(これによる地盤沈下、それに伴う隣接する建物の沈下、傾きの発生)

 

今回は①の埋戻しにおけるピットの撤去(地下工作物の扱い)について記載していきます。

 

一般的には「ピットは撤去すべき」と言われます。これはピットを残す選択をした場合、不法投棄とみなされる可能性を根拠とした見解です。

 

これについて東京都のとある行政に確認してみた所、ピットは残した方が良いとの見解をお聞きする事ができました。

理由はピットが擁壁のような役割を果たしている為、ピットを撤去し砕石を入れた場合よりも土地が安定するとの事でした。

 

※ピットを残す場合、地下にピットが埋まっているという情報は適切に管理し、土地売買等の際に必ず引継ぐ事は念押しされました。

 

これは1つの自治体での見解の為、全国一律ではありませんが、一般的に言われる“ピット残し=悪“という考えは凝り固まった考えだったようにも思えました。

 

当センターではこれからも適切な判断、確認の下、順法性、コスト、リスク管理のバランスの取れたご提案をしていきます。

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